〜ヤングキャベツなんぐの営業日記〜
下山中学校 PTA行事
「NAMARAのお笑い子育て講座」 2001/11/17
今回は我々芸人が本番までに何度か足を運んだ形でのイベント。
昼の校内放送ジャックなんかもやっちゃった。懐かしい反面、ラジオの収録なんかでも緊張したためしがないのに学生時代放送部だった私の怨念なのか、噛んじゃったりなんていう一面も・・・。
実はこういった動きにも我々なりの意図があって、生徒の現状を知るために全校生徒にアンケートをとりたかったから「お堅いものではないですよぉ。怪しいものでもないですよぉ。無記名でいいので正直に・・・」そんな感じ。
最も印象的だった答えとして「Q.将来なりたいものは?」「3位スポーツ選手、2位タレント、1位なし」おい、おい、おい、正気かよ。無気力過ぎやしないか?でも、そんなものなのだろうか?なんて場面も。
そんなこんなで迎えた当日。保護者の方々を中心に『NAMARA流 お笑い子育て講座』をやってきました。前記したアンケートによるトークディスカッション、お父さんお母さんが参加してのコントなど非常に新鮮な2時間30分でした。
さてさて今回、自分自身の収穫の1つとしてはイジメといったデリケートなお話にも触れることができた事。イジメ根絶全校集会なるものがこの学校では存在し、そちらを見学させてもらいました。3年2組の「注意とイジメの違い。注意は相手の欠点を指摘すること、イジメは相手の欠点を受け入れないこと。」という発言には、中学時代イジメられっ子だったノリトの森下君と共に深く感心してしまった。
〜ノリト 森下英矢の営業日記〜
下山中学校 PTA行事
「NAMARAのお笑い子育て講座」 本番までの回想記
上記、新潟市立下山中学校の「子育て講座」。
本番を向かえるまでの様子を担当・森下英矢がリポートします。
「芸人に子育て講座をしてほしい」
そういう話を受けて、正直驚いた。何でこんな親不孝集団にスポットライトが当たるんだろう?と、ちょっと冷静に考えた。
何故NAMARAが求められているのか思いついた。そう、親不孝者だから。不良の気持ちはやはり不良が一番分かっていると思われたのかなー、なんて思った。実際、元不良もいるし、元ひきこもりの丸山誠也もいる。元吹き溜まりが集まった過去、現在、未来吹き溜まり集団だからか、と妙に納得した。
とにかく、僕らの『子育て論』を楽しく説明できたらと思い第一回の会合に参加した。
第一回目会合での概要は以下の通り。
いわゆる、生活笑百科みたいなものの教育版。
@
今問題になっているコトをコントに仕上げ、それで問題を提起する。
A その後、NAMARAと保護者の方々で問題を話し合う。
B
煮詰まったら、ご意見番である元PTA会長や元校長先生に問題を解決してもらう。
というもの。
とりあえず、その問題提起コントを考えて欲しいとのことで、資料として保護者アンケートをお借りした。
翌日から早速、ねた作りに励むことに。アンケートを見た結果、内容は次の三つのものに決定。
壱、
親子の問題(外で遊ばない、携帯電話、茶髪問題、会話がない等)
弐、 三者面談(親子、生徒と先生、教師と保護者という三通りの関係が入り混じる)
参、
子供同士の問題(いじめ、ひきこもり、学級崩壊、夢など)
以上のものを作成することに決め、その後に己の道筋を考えた。やはり、我々芸人がやるんだから固くならずに、げらげら笑えるものがいいじゃないかと思った。どうせ、その後真剣に話し合うんだからバカらしくしようと思い作成。見事ギリギリ締め切り内に作り、担当の先生に渡し、PTAの方々に話を検討して貰った。
結果は散々だった。「いじめなどのシビアな話をするのにふざけすぎ」とか「対決するシーンは親子の関係が崩れている」等々、とにかく批判が多かった。お堅い空気でやったらその場の自己満足に終わって後に残らない、それなら柔らかいネタでやったほうが後に残る、と担当の先生に自分の意見を伝えたが、やはり批判されたことが気になる。考えた末に以下の流れで自分自身を納得させる。
・PTAの方々に批判される=保護者の人にもそう思う人がいる。
・そう思う人に対しても僕らが伝えたいものがある
・
納得させるには多少堅くして、いわゆる形式らしさを演出させたほうが良い
・
全員に伝わるように堅い部分を入れてもう一度ネタを作り直す
そう決意した。
早速、三つのコントの叩き台を作成した。
一部
とある茶の間での家族の風景
二部 三者面談(子供のパートを実際の保護者の方にやってもらう)
三部
下山中アンケート(実際に下山中学校の全生徒にアンケートを取って発表)
の三つに確定させた。一部と二部は問題となる部分の台本を先生が作ってくださるとのことだったのでお願いした。
三部は全生徒にアンケートを書いてもらうために1つゲリラ的な仕掛けを撃ってみた。それは学校のお昼の放送をジャックしてNAMARA流のお昼の放送を生徒に聞かせる。そして、そこでアンケートの話を生徒に宣伝するといった作戦だった。これは、アンケート以外にも生徒にお昼の放送の一例を提示して、特に将来マスコミ関係に入りたい人がいるなら利用してチャレンジしよう、というような意味合いも込めた。これというのは放送云々ではなく全て(委員会とか係とか)において言えることだと思う。
結局、放送作戦は実行し、一部の先生からは冷たい目で見られながらもアンケート回収率や注目度という面で大成功を収めた。そしてそのアンケートの内容からは恐るべきことが判明した。かなり大げさだが、アンケート1つでここまで問題が浮き彫りになるとは思わなかった。
恐ろしい反面、三部はすらすらと内容が作れた。アンケートの内容を発表すればそれがすでに問題提起になっていた。そして面白い意見も結構あり、うまく料理すれば内容が柔らかくなるソースとなった。
こうして、一部二部は頂いた原案をお笑い風にアレンジして完成し、三部も完成させた。コントの方は完璧になり残す憂いはそう、子育ての理論のみとなった。
実は、当日を迎えるに当って、行った場所があった。新潟市役所、新潟県庁のそれぞれの教育委員会。そこで、「総合的学習」についてを一つ一つ教えてもらった。行政サイドの教育論を知りたかった。聴くにつれて、徐々に行政サイドの問題の捉え方を理解し、しかしその浸透度の少なさを理解した。
正しい、絶対的に正しく必要な総合学習。
しかし、このままでは無駄な総合学習。
誰かが道筋を作らないと、はかなく散る運命の総合的学習。
行政→教師→生徒→保護者という流れにおいて何処かで浸透がなくなる。とりあえず、我々NAMARAの芸人には総合的学習で得るべきものが備わっていると言われ、喜びつつ帰途に着いた。
学校サイドの問題の捕らえ方を知るために、いじめ根絶の集会にも参加した。学校も見えないものを発見するためにいろいろと努力しているのだろうと感じた。大人がいろいろと手を差し伸べているのにそれを無視する子供。手を差し伸べているのに何もしていないと怒る大人。大変な世の中だなー、そしてアメリカの訴訟社会に近いものを感じる。最後にスクールカウンセラーの方が若干生徒にレベルを合わせて講演をする姿を見て納得し帰途に着いた。
これらをみて何とか自分の考えをまとめることが出来た。ようやく当日を迎えることが出来た。