グアテマラ 小学校 視察

つい先ほどの出来事。この原稿を書こうと近所のコーヒー店に行ったところ、外国人のお客さんがレジで手間取っていた。「ジャパン1つ」の注文。「日本茶はおいてないのですが…」と店員。指さすメニューを見てようやく事態を飲み込んだ僕は「日本のコーヒーじゃなくて、本日のコーヒーですよ」と助言した。

DSC09202

ちなみに本日のコーヒーはグアテマラ。今からちょうど4年前に教育現場の視察の一環で何人かの日本人とともにグアテマラのエミリオアレナスカタラン小学校というところにおじゃましたことを思い出した。

お世辞にもきれいとは言えない建物で、全体的に暗い感じがした。

地震が多いという土地柄から1階建てで廊下はなく、教室の入り口は左右両方にあり、どちらからも外に出られるようになっていた。狭いというよりは窮屈といった造りだ。

校長先生とお話させていただいたのだが、 印象的だったのは、この地域では子どもの数に対して学校の数が少ないため、小さな校舎を午前と午後で生徒が入れ替わるということだ。日本では考えられないが、午前と午後で校長先生も学校名も変わるそうだ。

当然のことながら授業数は少ない。音楽や体育、図工といった科目、偶然にも僕が学生時代好きだった授業から順に減らされていくそうだ。

僕たちにコーヒーではなく来客用(?)のジュースが出された。

うらやましそうな生徒たちの顔が窓の外からのぞきこむ。こちらでは特別なときにしかお目にかかれない贅沢品のようだ。

毒々しい色をしており、見た目では何のジュースかわからない。

恐る恐る口に運んでみたが、 飲んでみても何のジュースかわからなかった。隣の日本人は露骨に嫌な顔をし、文句をたれた。そのときの用意してくれた人の残念そうな顔、また、何で残すんだろうという子どもたちの不思議そうな表情は忘れられない。

画像 4519

僕はこのとき決めた。常に感謝の気持ちは持ち続けたいと。もてなしが空振ること、こういったことは今後もある。アフリカに行けばごちそうとして虫を出されたりもする。「まずい」と言うのと「僕には合わない」と思うのとでは全く違う。

旅人は小さな国交を繰り返す。大げさだけど、われわれが彼らにとっての日本なんだ。そんなことを思った。